防風通聖散で痩せる！その効果的な服用法と注意点を薬剤師が解説します！

こんにちは。株式会社スリーピースコーポレーションの薬剤師、菅野です。

ダイエット漢方薬の中で最も有名なのが「防風通聖散」。

特にお腹周りの悩みを抱えていらっしゃる方に、効果的な漢方薬です。

本記事では、防風通聖散の効果や、成分、入手法から注意点などを詳しく解説いたします。

防風通聖散を一度試してみたいという方は、ぜひ最後までごらんください。

防風通聖散とは？その特性と主な成分

防風通聖散は、漢方薬の一種で、主に肥満や便秘の治療に用いられます。

様々な成分が効果的に働き、体内の余分な水分や老廃物を排出する効果があるからです。

主成分には、センキュウ、ダイオウ、シャクヤクなどの複数の生薬が含まれており、これらはそれぞれ独自の効能を持っています。

防風通聖散の基本情報

防風通聖散は、処方薬、ドラッグストアなどで販売されており、顆粒状または錠剤であることが多いです。

中には防風通聖散の成分が入っていても、「コッコアポEX錠」などの商品名で販売されていることも。

服用方法や量は、個人の体質や症状によって異なるため、専門家の指導のもとで使用しましょう。

副作用として、軽度の胃腸の不快感やアレルギー反応が報告されているからです。

防風通聖散の服用に不安を覚える方は、医師、薬剤師に一度ご相談いただくと安心ですね。

主成分とその効果

防風通聖散の主成分は以下の通り。

生薬の成分名	配合量（生薬エキス）	主な薬効
カッセキ	1.5g	利水、熱を冷ます作用
オウゴン	1.0g	解熱・消炎・解毒作用
カンゾウ	1.0g	抗炎症・鎮痙・鎮痛作用
キキョウ	1.0g	鎮咳・去痰・排膿・抗炎症作用
セッコウ	1.0g	抗炎症・解熱作用
ビャクジュツ	1.0g	健胃・整腸・利尿・止汗作用
ダイオウ	0.75g	駆瘀血・通利（利尿、通便）・消炎作用
ケイガイ	0.6g	発汗・解熱・止血・解毒作用
サンシシ	0.6g	清熱・消炎作用
シャクヤク	0.6g	鎮痛鎮静・筋弛緩・血管拡張・抗炎症・血行促進・美白作用
センキュウ	0.6g	鎮静・消炎・駆瘀血作用
トウキ	0.6g	冷え・血流循環改善作用
ハッカ	0.6g	抗菌・消炎・血流促進作用
マオウ	0.6g	発汗・鎮痛・鎮咳・去痰・利尿作用
レンギョウ	0.6g	解毒・消炎・利尿・排膿作用
ボウショウ	0.35g	便を柔らかくする効果
ボウフウ	0.6g	抗ウイルス・解熱・消炎鎮痛・血圧降下・胃粘膜を守る・関節炎
ショウキョウ	0.15g	抗炎症・抗菌・吐き気止め・消化促進・血行促進作用

上記の成分は、それぞれ体内の水分バランスを整えたり、消化器系の機能を高めたりする効果があります。

漢方薬は、生薬単剤の成分が薬効を発揮するだけでなく、成分が相互に作用し効果が期待できるのです。

防風通聖散は、生薬の組み合わせで、体内の不要な脂肪や老廃物の排出を促進し、肥満の改善に寄与すると考えられています。

参照…ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒

防風通聖散によるダイエット効果

防風通聖散は、その脂肪燃焼促進作用により、ダイエット補助薬として注目されています。

• 脂肪燃焼効果
• 利尿作用（むくみ軽減）
• 便秘解消
• リンパの流れ改善

上記の作用により、ダイエット効果が期待できるのです。

詳しく内容を確認していきましょう。

脂肪燃焼促進作用

防風通聖散は、脂肪燃焼促進作用が期待できます。

防風通聖散に含まれる生薬は特にオウゴンやダイオウなどは、発汗、利尿、便通、解熱の役割があるため、脂肪の分解と燃焼を促します。

服用することで、食事で摂取した余分な脂肪が体に蓄積するのを予防し、新陳代謝を高めて発汗を促してくれるのです。

また便通をよくすることで老廃物や体内にこもった熱、脂肪を排出します。

利尿作用によるむくみ改善効果

防風通聖散には、利尿作用を持つ成分も含まれており、むくみの改善にも効果的です。

この漢方薬に含まれるカッセキやビャクジュツは、体内の余分な水分を排出し、むくみを解消します。

また、血行促進と利尿作用により、のぼせや動悸、肩こりの解消にも役立つのです。

さらに、余分な水分を排泄することにより、高血圧を改善する可能性もあります。

便秘解消によるダイエット効果

防風通聖散は、便秘解消の効果が期待できる漢方薬です。

特に、ダイオウやボウショウなどの生薬が含まれており、これらは便を柔らかくし、腸の蠕動を促進することで便通を改善します。

便秘が解消されることにより、体内に蓄積された老廃物や余分な脂質が排出され、結果としてダイエット効果が期待できるのです。

さらに、ダイオウは瀉下剤（下剤）としての役割も持ち、体内の不要なものを効率的に排出することで、デトックス効果も。

このように、防風通聖散による便秘解消は、体重減少や体調改善に直接的な影響を及ぼすのです。

血行促進によるリンパ流の改善とそのダイエットへの影響

防風通聖散に含まれる成分は、血行を促進し、リンパの流れの改善も期待できます。

例えば、センキュウやカッセキ、ビャクジュツなどは、血の巡りを良くし、利尿作用を促進するのです。

これにより、体内の余分な水分や老廃物が排出されやすくなり、むくみの解消や体調の改善が期待できます。

また、血行が良くなることで、脂肪の燃焼が促進され、更にダイエット効果の発揮も。

血行の改善は、肩こりやのぼせの解消にも効果的であり、全体的な健康状態の向上に寄与します。

このように、防風通聖散による血行促進は、リンパ流の改善を通じて、ダイエット効果や健康効果をもたらす可能性があるのです。

防風通聖散はこんな人におすすめ

防風通聖散は、特にお腹周りの皮下脂肪が気になる方におすすめの漢方薬です。

この漢方は、体内での脂肪の代謝を改善し、蓄積された脂肪を減少させる効果が期待できます。

特に、体力があり、お腹周りに脂肪がつきやすい方や、暴飲暴食によって体内に余分な熱が溜まっている方に適しています。

防風通聖散に含まれる18種類の生薬は、脂肪細胞を活性化させ、特にお腹周りや太ももなどの脂肪燃焼に効果的です。

さらに、この漢方薬は便秘の解消にも役立ち、ダイオウやボウショウなどの成分が便を柔らかくし、排泄を促進します。

血流の改善や利尿作用により、むくみや肩こりの解消にも寄与する可能性があります。

使用を控えるべき体質や症状

防風通聖散は、すべての人に適しているわけではありません。特に冷え性や虚弱体質の方、妊娠中や授乳中の方は使用を控えるべきです。

また、下痢体質の方が服用すると、下痢の症状が助長される可能性があるため注意が必要です。

防風通聖散の副作用としては、下痢や吐き気、肝臓機能の異常、頭痛や発熱などが挙げられます。

これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師、薬剤師に相談しましょう。

また、長期の服用は避け、1ヶ月以上継続しても症状の改善が見られない場合は、他の方法を試すことが良いでしょう。

防風通聖散は、単に「飲めば痩せる」薬ではなく、適切な食事や運動と併用し、体質や症状に合わせて適切に使用することが重要です。

防風通聖散の服用開始から効果が現れるまでの期間

具体的に防風通聖散を服用してから効果が現れるまでの期間はどのくらいなのでしょうか。

一般的に効果が現れる期間と、効果に影響する要素について見ていきましょう。

何日以内に効果が現れるか

防風通聖散を服用してからの具体的な効果の現れ方については、個人によって異なりますが、多くの場合、服用開始から2週間程度で初めての変化を感じることができるでしょう。

この初期段階で、むくみや便秘の改善が見られることが一般的です。

さらに、1ヶ月程度継続して服用することで、より顕著な体脂肪の減少や肩こり、のぼせの解消などの効果が実感できる可能性が高まります。

効果が出るまでの期間に影響する要素

防風通聖散の効果が出るまでの期間には、いくつかの要素が影響します。

まず、個人の体質や健康状態が大きく関わってきます。

例えば、冷え性や虚弱体質の方にはあまり向いていないとされており、これらの体質の方では効果を感じにくいかもしれません。

また、生活習慣も重要な要因です。

バランスの取れた食事や適度な運動を行うことで、防風通聖散の効果を高めることができます。

逆に、暴飲暴食や運動不足は、効果を感じるまでの期間を長引かせる可能性があります。

単に防風通聖散を服用するだけでなく、食事、運動まで総合的に生活習慣を見直すと、ダイエット効果が高まりますよ。

防風通聖散使用時の副作用とその対処法

防風通聖散は漢方薬なので、比較的安全に服用できます。

ただし医薬品なので、副作用が全くないとは言い切れません。

防風通聖散の代表的な副作用と、副作用が起きたときの対処法を解説します。

一般的な副作用とその頻度

防風通聖散の一般的な副作用には、下痢や吐き気、肝臓機能の異常、頭痛や発熱などがあります。

これらの副作用は、体質や体調によって異なり、すべての人に現れるわけではありませんが、注意が必要です。

副作用が現れた場合の対処法

副作用が現れた場合、まずは服用を中止し、医療機関への相談をお勧めします。

特に、下痢や吐き気が続く場合、体が異常にだるい、黄疸がでているなどの肝臓機能に異常がある場合、頭痛や発熱がひどい場合は、速やかに専門の医師の診察を受けることが重要です。

また、防風通聖散は長期間の服用による副作用のリスクもあるため、使用期間や量にも注意が必要です。

多く飲めば飲むほど効果があるという薬ではないため、服用する際は、医師の処方または、用法用量を守って、正しく服用しましょう。

防風通聖散の入手方法と選び方

お腹周りの悩みを解決してくれる、防風通聖散。

できれば手軽に入手したいですよね。

ここからは、入手方法と、代表的な商品の選び方をご紹介いたします。

どこで購入できるか

防風通聖散は、一般的に薬局やドラッグストアで購入できます。

また、インターネット上の薬局や健康食品の専門店でも取り扱われており、購入方法は多岐にわたります。

店舗での購入の場合、専門の登録販売者や薬剤師に相談しながら、自分に適した商品を選ぶことが可能です。

一方、オンラインでの購入では、商品の詳細情報やレビューを参考にしながら、自宅にいながら手軽に購入できるのが利点です。

また処方薬としても入手できるため、必要な場合は医師に相談することをおすすめします。

購入時に注意すべきポイント

防風通聖散を購入する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。

特に満量処方という言葉に注意しましょう。

一般用漢方製剤は、漢方処方ごとに配合できる生薬の量の限度が定められています。

この限度内の最大量を配合しているのが満量処方です。

漢方製剤の中には満量処方が含まれていないものもあります。

最大限効果を期待したいという方は、満量処方と書かれている商品を選びましょう。

また、お腹周りはさほど気にならないけど、むくみやすいタイプで、むくみ解消によるダイエット効果を期待したい方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、「ダイエット漢方」で健康的に痩せたい！薬剤師が解説する減量に効果的な漢方の使用方法と注意点、こちらの記事が参考になるでしょう。

防風通聖散のダイエット効果と服用方法のまとめ

防風通聖散は、その脂肪燃焼効果や便秘解消効果により、ダイエット効果が期待できます。

18種類の生薬から成り、特に脂肪がつきやすいお腹周りや太ももなどの皮下脂肪が蓄積する肥満症に効果的です。

脂肪細胞を活性化させる成分が含まれており、余分な脂肪の燃焼を促進します。

また、大黄や芒硝などの成分には便秘解消効果があり、体内の老廃物の排出を助けることで、デトックス効果も期待できるのです。

安全な服用のための注意点のまとめ

防風通聖散を安全に服用するためには、いくつかの注意点があります。

まず、長期間の服用は避けるべきです。

1ヶ月以上服用しても効果が見られない場合は、体質に合っていない可能性が高いため、他の方法を検討しましょう。

また、妊娠中や授乳中の方は、基本的に服用を避けましょう。

防風通聖散に含まれる成分が流早産のリスクを高める可能性があるためです。

副作用としては、下痢や吐き気、肝機能の異常、頭痛や発熱などが報告されています。

これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医療機関での相談をお勧めします。

また、他の漢方薬との重複にも注意が必要です。

特に「甘草」や「麻黄」が含まれる場合は、他の漢方薬との併用による副作用のリスクが高まることがあります。

防風通聖散は、適切に使用すればダイエットに役立つ可能性がありますが、その効果に過度に依存せず、バランスの良い食事や適度な運動を併用することが重要です。

また、効果が見られない場合は、医師の診断を受けることをお勧めします。