こんにちは。スリーピースコーポレーションの薬剤師、菅野です。
食品表示を見ると、さまざまな添加物の名前が並んでいます。
中でも「加工澱粉」という成分は気になりませんか。
「でん粉」というものは聞いたことがあるけど、「加工澱粉」との違いや安全性はどのようなものなのでしょうか。
自分が摂取する食品の安全性は確かめておきたいですよね。
今回は「加工澱粉」の効果や、リスクについてわかりやすく解説していきます。
健康への近道は、自分が摂るものについて詳しく知ること。
本記事を読めば、「加工澱粉」が含まれている食品やサプリメントが自分にあっているか、わかるようになるはずです。
加工澱粉を含む添加物について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にされてください。
加工澱粉(加工でん粉)とは
加工澱粉(かこうでんぷん)は、トウモロコシやジャガイモ、タピオカなどの植物から作られるでん粉を、酸やアルカリなどの化学的処理を加えて変性させたものです。
でん粉は、じゃがいもから簡単に取り出せる粉状の物質としてご存知の方も多いかもしれません。
でん粉は炭水化物の一種で、人間の体に必要な3大エネルギー源の一つ。
炭水化物以外のエネルギー源は、タンパク質と脂質です。
いわゆるPFCと呼ばれるエネルギー源のC(Carbon)にあたります。
原材料であるでん粉を化学処理した加工澱粉は、エネルギー源を目的として使用されることはありません。
食品に添加することで、その食品の特性を変化させる目的で使用されます。
例えば、菓子やパンなどの製造においては、加工澱粉を使用することによって、製品の形状を整えたり、外観を美しくしたりすることができます。
また、ドレッシングやソースなどの調味料にも使用され、口当たりを滑らかにする役割を果たします。
食品の食感や美しさを活かす用途で活用されているのが、加工澱粉なのです。
でん粉と加工澱粉の違いについて
でん粉は、植物が光合成で作った糖分を葉や根に蓄えるもので、米や芋などの穀物に多く含まれます。
でん粉は、加工せずそのまま食品に添加することで、とろみや粘り気を出す役割も持ち合わせています。
とろみを加える代表的なものは片栗粉ではないでしょうか。
餡を作るときに、片栗粉を使ったことがある方も多いかもしれません。
一方、加工澱粉は、自然界に存在するものではありません。
特定の性質を発揮するように、でん粉を化学処理し生成されます。
食品が熱に強くなったり、品質の保持、食感を良くするなど加工澱粉の種類によって持つ役割は様々です。
加工澱粉の種類
加工澱粉には、いくつかの種類があります。
平成20年10月1日に交付された「食品衛生法施行規則」により、食品添加物として利用されたときは簡略名として「加工デンプン」として表示されるようになりました。
以下が代表的な加工澱粉と役割です。
加工澱粉の種類 | 使われる食品 | 役割 |
リン酸架橋でん粉 | パンなど | 食感を増す |
リン酸化リン酸架橋でん粉 | チーズなど | チーズの収穫量を増す |
アセチル化リン酸架橋でん粉 | ソースなど | 食品を乳化させる |
アセチル化でん粉 | 天ぷら・フライなど | 低温で粘り気を出す |
アセチル化アジピン酸架橋でん粉 | 冷凍食品など | 低温時に安定化させる |
ヒドロキシプロピルリン酸加工でん粉 | シロップ・お菓子など | 光沢を維持する |
オクテニルコハク酸でん粉ナトリウム | 粉末など | 粘り気を加える |
加工澱粉の役割とは
加工澱粉は様々な食品に活用されているのがわかりました。
具体的に期待されている効果や役割を、一緒に確認していきましょう。
増粘剤としての役割
加工澱粉には様々な役割がありますが、その中でも特に重要な役割の1つが「増粘剤としての役割」です。
増粘剤とは、液体や粉末の物質を粘り気のある状態にするための物質のことです。
例えば、お菓子やアイスクリームなどは増粘剤によって口当たりがよく、美味しさが増すでしょう。
また、調味料やドレッシングなどの液体も、増粘剤によって粘り気が増し、食材にしっかりと絡みつくようになります。
加工澱粉は、増粘剤としての役割が非常に優れています。
加工澱粉によって適切な粘り気が出ている食品は口当たりが良く、食べやすくなるからです。
増粘剤についてより詳しく知りたいという方は、以下の記事をご参照ください。
安定剤としての役割
加工澱粉には、食品を作るときに形を整えるために使う増粘剤としての役割のほかに、「安定剤」としての役割も期待されています。
食品には、種類や形状によっては時間が経つと食品が分離してしまったり、賞味期限が短かったりするものがあります。
例えば、とんかつなどがいい例です。
とんかつを作る場合、豚肉を卵液にくぐらせ、パン粉をつけて油で揚げます。
加工澱粉を利用した場合、パン粉が豚肉から分離しにくくなるのです。
その結果、衣のカリカリ感などの食感が増し、美味しいとんかつが出来上がるでしょう。
このように食品に加工澱粉を加えることで、液体が分離せずにきれいな形を保ったり、美味しさを増すことができるのです。
また、食品を加熱すると水分が蒸発してしまうため、食品の硬さが変わってしまうことがあります。
熱を加える食品といえば、カップヌードルやレトルト食品が良い例でしょう。
このような食品に加工澱粉を加えることで、食品が加熱されても、かたさが変わらずに美味しく食べることができるようになるのです。
膨張剤としての役割
加工澱粉には、膨張剤としての役割もあります。
膨張剤は、食品をふっくらと膨らませるために使われます。
例えば、スナック菓子やパン、ケーキ、プリンなどが膨らんでいるのは、膨張剤が使われているからです。
膨張剤を使うことで、食品の見た目がきれいになり、食感もよくなります。
また、膨張剤を使うことで同じ量の材料でより多くの食品を作ることができるため、コストの削減にもつながるでしょう。
膨張剤としてよく使われるのは、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどですが、加工澱粉も膨張剤として使われることがあります。
加工澱粉を使うのは、膨張剤の役割だけでなく、増粘剤や安定剤の役割も兼ねることができるからです。
保水性と湿潤性の向上
加工澱粉の役割として、保水性と湿潤性の向上が期待されています。
保水性とは、物質が水を吸収しやすくする性質のことで、湿潤性とは、物質が湿っている状態を保ちやすくする性質のことです。
例えば、お菓子やパンなどの製造過程で加工澱粉が使用されることがあります。
加工澱粉は水を吸収しやすく、水分を保持することができます。
これによって、製品の湿り気を保ち、乾燥しないようになります。
その結果、製品の賞味期限を延ばし、美味しさを長持ちさせることができるのです。
エマルション安定剤としての役割
加工澱粉は、エマルション安定剤としての役割も期待されています。
エマルションとは、「本来混ざり合わない液体同士が、分散して混ざり合っている状態」を指します。
本来混ざり合わない液体の代表例が、水と油ではないでしょうか。
同じ容器の中に水と油を入れ、よく振ったとしても自然に分離してしまいます。
そこで活用されるのがエマルション安定剤です。
例えば、ドレッシングやマヨネーズなどは、油と水を混ぜ合わせて作られる代表的な食品です。
エマルション安定剤を加えることで、油と水が分離しにくくなり安定して混ざり合うことができます。
加工澱粉は、そのようなエマルション安定剤としての働きも期待されているのです。
加工澱粉(加工でん粉)は身体に影響はある?
加工澱粉は一日摂取許容量を特定する必要がないほど、安全な食品添加物とされています。
試験結果ではそれぞれ、毒性、発がん性、生殖毒性、遺伝毒性などは認められませんでした。
加工澱粉自体には毒性はありませんが、摂りすぎには注意が必要でしょう。
食品を美味しく作ることができるため、オーバーカロリーになってしまうからです。
加工澱粉を摂ることで体に発生するリスクは限りなく少ないですが、なるべく摂りたくない場合は
- 食品表示に気をつける
- オーガニックな食品を扱うお店に行く
- 加工食品を摂らず、なるべく自炊する
などを徹底することが大事です。
またオーバーカロリーが気になる場合は、一度食生活を見直すことをおすすめします。
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